片想いの話する？

当時は31歳、左手薬指の結婚指輪がよく似合っていた。職場における濃密な人間関係を思えば、週一の電話などは真似事に過ぎなかったかもしれない。それでも、彼は私に、誰かと一緒に仕事をする意味を初めて本気で考えさせてくれた人だった。自分自身を信用できなかった私に、信用できる誰かが側にいることの得難さを教えてくれた。相手のとまどいに触れるたび、私はかたくなだったころの我が身をふりかえっては恥じ入った。そして、そんな自分を少しだけ変えてくれたあの人のことを考えた。

失恋したんですよねっていうか失恋しかしてきてないんですけどね。職場の既婚者を好きになってしまって、髪の毛ふあふあなところとか声が低くて喋り方落ち着いてるのにカラオケで星野源歌ったらめっちゃ上手かったところとか人慣れしてて話し上手なとことか仕事ができて子供から慕われてるところとか機械に強くてパソコン関係でわからないこと教えてくれるときの優しい教え方とかお金の計算得意じゃないところとか朝弱くてたまに寝癖ついてるところとかめっちゃ華奢で寒がりで末端冷え症でストーブ前でしゃがんであったまるところとかそのくせ冷房はガンガンにかけるところとか潔癖なところとか研究会のときだけに着るスーツ姿とか重いもの運ぶ時の男らしさとか歩くときの靴の音とか字が綺麗なとことか毒舌なのに愛されキャラなとことか後ろ姿とか左手薬指の指輪とか含めてぜんぶ好きになってしまってもう告白したいくらい気持ちが溢れてきて仕事中視界に入ると目で追っちゃうしその人が部屋からでてった瞬間なため息出ちゃうしもう私の気持ちバレてもいいかなってくらいには好きになってしまってすごくしんどかったからback number聴いてるんですけどね、あ、そういえばカラオケでback numberのハッピーエンド入れた人が歌ってる時にかすかに口ずさんでたのもめちゃめちゃ好きだったなあ…back numberはずるいなあ…音楽とか興味ないって勝手に決めつけてたからback numberも聴くの？！ってねえ…しんど……でまあしんどいエピはこのへんにするね…

で、幸せを聴きながらふと思ったんですけどね、

最初からあなたの幸せしか願っていないから〜それがたとえ私じゃないとしても〜

ってそれ聴いて心に浮かぶのはすばるくんだったんですよね。別に私のことなんてどうでもいいからただただすばるくんが幸せで笑っていてくれたらそれだけで私は生きていけるんですよね。

いま片想いしてる人にそんな気持ち抱いたことなくて、むしろ弱ってるとこみたいなあとかそこにつけこみたいなあとか甘やかしたいなあとか自分の欲しか出てこなくてってふと気づいたらああなんだただの自己満足かあって欲求不満女のリアルが見えてしまって笑ったよね。ありがとう依与吏さん。

で、やっぱり私が愛する人はすばるくんただ一人ですなって話。

片想いはこんなしんどいのに、すばるくんを愛しているときは毎秒幸せで生きてるって実感するから不思議。愛の力ってすごいね。